2023/11/27

【はまの屋パーラー日本橋】「Time Out Japan」で紹介いただきました。

すでに老舗の佇まい、有楽町の名喫茶「はまの屋パーラー」が日本橋に移転オープン 56年間変わらぬ味わいを守り続ける名物サンドイッチも健在

 

1966年創業の老舗純喫茶「はまの屋パーラー 有楽町」が、入居していた新有楽町ビルの建て替えに伴い、2023年11月20日、日本橋に移転オープンした。

はまの屋パーラー 日本橋店
Photo: Kumiko Nakakuki

2011年に初代オーナーが45年の歴史に幕を降ろした後、ビルのシンボル的存在だった店舗を残したいというビル側の意向を受け、喫茶店やビーガン料理店ブランドなどを手がけるバードフェザーノブが運営を受け継いだ。空間はもちろんのこと、初代オーナー時代から人気の「サンドゥイッチ」のレシピを忠実に再現し、変わらぬ味わいを守り続けている。また近年では、プリンやホットケーキなどの新商品により新規のファンも獲得してきた。

はまの屋パーラー 有楽町
Photo: Kisa Toyoshima惜しくも閉店した有楽町店

 

 

移転先は、これまでの雰囲気をなるべく維持できるよう、有楽町店から近いエリアで年季の入った物件に絞って探していたという。厳しい条件の中からようやく見つけ出したのが、今年9月まで24年間営業してきた洋食店「食工房 あらじん」の跡地だった。

はまの屋パーラー 有楽町
Photo: Kumiko Nakakuki

 

 

店内には、有楽町店で使用していたテーブルや椅子、照明、絵画などの調度品を配し、従来店の空間をできる限り再現することにこだわった。席数はテーブル席30席、カウンター3席を用意している。

はまの屋パーラー 日本橋
Photo: Kumiko Nakakuki「玉子・サンドゥイッチ」と「フルーツ・サンドゥイッチ」の「ハーフ&ハーフ」

長年愛される人気商品を継続

変わらないことを第一に考える同店では、新店舗においても有楽町で長年提供していたメニューをそのまま引き継いでいる。看板商品の「玉子・サンドゥイッチ」は、牛乳などを加えた卵液を鉄製の小型フライパンに流し込み、へらで撹拌(かくはん)しながら焼き上げることで、ふっくらと仕上げているという。1951年創業「新橋ベーカリー」の食パンは小麦本来の甘さが魅力だ。パンに薄く塗られた、からしマヨネーズが食欲をかきたてる。

はまの屋パーラー 日本橋本店
Photo: Kumiko Nakakuki

 

 

「サンドゥイッチ」は卵やハム、ツナ、フルーツなど6種類を用意。その中から好きなものが2種類選べる「ハーフ&ハーフ」(850円、以下全て税込み)を注文する客も多い。「フルーツ・サンドゥイッチ」は黄桃やバナナ、リンゴ、パイナップル、ミカンの5種類がたっぷりと入っており、デザート感覚で楽しめる一品だ。隠し味としてフルーツに微量のマヨネーズを加えることで、さっぱりとした味わいに仕上げているという。

自家焙煎(ばいせん)コーヒー「はまの屋ブレンド」(650円、食事と同時に注文した場合は350円)は、ハワイの自社農園で育てたハワイコナをブレンド。純喫茶の雰囲気に合うよう深いりに仕上げている。平日の9〜11時にはモーニングメニューも用意されており、サンドイッチまたはトーストにドリンクが付いて780円とお得だ。

はまの屋パーラー 日本橋
Photo: Kumiko Nakakuki

 

 

有楽町店だけで週に120〜130個も売れていた「自家製プリン」(600円)もおすすめ。喫茶店らしい固めの食感だが口溶けは滑らかで、やや甘めの味わいがコーヒーとよく合う。 

はまの屋パーラー 日本橋
Photo: Kumiko Nakakukiパンケーキ

 

 

「ラムレーズンのホットケーキ」(950円)は、もともと月替わりで提供しているホットケーキメニューの一つだったが、特に人気が高くグランドメニュー化された。ホットケーキ生地にヨーグルトを使用しており、モチモチでしっとりとした食感が特徴である。店内で漬け込んだラムレーズンを、生地や生クリームにふんだんに混ぜ込んでおり、満足感のある一皿だ。

はまの屋パーラー 日本橋本店
Photo: Kumiko Nakakuki

今後は古きよき純喫茶を都内各地へ

現在「はまの屋パーラー」は日本橋本店のほか日比谷と後楽園、渋谷に4店舗を展開している。これからの展望について、スーパーバイザーの大久保香代は「少しずつ店舗を増やし、はまの屋ブランドを広げていきたい」と意気込む。

古き良き伝統を現代に継承し続ける喫茶店で、ノスタルジックなひとときを過ごしてみては。